こんにちは。丸橋連雀町歯科の礒野です。
最近、急に気温が高くなってきましたが皆様は
いかがお過ごしでしょうか?
今回は、飲食物と歯がしみる症状との関係について
お話させていただきます。
歯の外層は、エナメル質・象牙質といった硬組織でできており
その中心に歯の神経である歯髄があります。
歯の外層部を構成している硬組織は、人体の体の中で
最も硬い組織なのですが、酸には弱い性質があります。
歯を酸の中に浸しますと、歯の硬組織のカルシウムなどの
ミネラル分が溶け出して軟らかくなってしまうのです。
(この現象を脱灰といいます。)
むし歯も細菌が産生した酸により、歯が軟らかく脆くなったため
穴があいてしまい生じるのです。
ですから、歯がなるべく酸に触れないようにすることが
とても重要なのですが、実は飲食物の中には、酸性度が
強いものが含まれている物があるのです。
ちなみに歯は、唾液のpH(酸性度を測る指標)が5.5以下で脱灰が生じますが
白ワインだとpH2.30、コーラpH2.94、オレンジジュースpH3.0
ヨーグルトpH3.26と酸性度が、かなり高いのです。
ただ、歯は酸により一時的に脱灰し軟らかくなっても
時間が経てば、唾液中のミネラル成分を吸収し、再び硬くなるので
心配する必要はありません。
ですから、このような食品を摂取し続けると、歯がしみる症状が生じる
というわけではないのですが、症状がある場合は対策が
必要です。
しみる症状が強い場合は、酸性度の高い食品の摂取を
控えてもらうばかりではなく、歯を磨くタイミングも重要となります。
ブラッシングは、酸によって軟らかくなった歯を歯ブラシにて削り取って
しまうため、食後すぐの歯磨きは控えたほうが良いようです。
また、昨今の健康ブームで黒酢、酢酸、クエン酸などが
体に良いとして摂取される方もいらっしゃるかと思いますが
残念ながら口腔衛生においては逆効果となることも
考えられますので、注意が必要です。
強くしみる症状を放置してますと、歯の神経が壊死し
夜間眠れないほどの強い痛みが生じる場合がありますので
早めに歯科医院を受診されることをお勧めします。