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表1を見てください。中でも重要なのが食生活で、歯周病の方のほとんどが例外なくこの特徴が認められ、ほとんどの現代人は同じ傾向にあると思われます。
要は“甘くて、軟かくて(食物繊維、カルシウムが無い)、こってり(高脂肪、高タンパク)食”です。脂肪、砂糖の過剰で高カロリーを摂っていながら、それを燃やして利用するためのビタミン、ミネラルが常に不足。特に、ビタミンB群・C、カルシウム、食物繊維の不足が顕著です。このどれもが健康増進に大きく関わる栄養素ですから、不足が続けば生命力、すなわち免疫力の低下は避けられません。また、食物の偏りに対応して増殖する細菌の種類も変化します。
そのうえ、多用されている加工食品には防腐剤等の化学物質が多く含まれ、野菜や肉にも農薬の残留があるのが現状。水道水も、大腸菌が全て死滅する0.1ppm濃度の塩素が含まれています。これらはもともと細菌活動を抑えるために用いられる薬物ですから、当然、口腔内の細菌バランスにも作用するはずです。
こうして、現代人の食生活は生命力につながる免疫力や口内筋のバランスを崩している一方で、精製品や加工食品といった食の軟食化も深刻な影響を及ぼしています。
歯槽骨は、噛んで負荷がかかることで、造骨細胞の働きが活発になり、骨を作って硬く新しい骨を更新していくのですが、軟食化で噛まなくなった顎は発達が遅れます。しかし、歯は決まった本数が生えますから、小さな顎に歯が密生し合うことになり、歯並びの悪い「咬合異常」といった問題を引き起こします。咬み合わせが悪いと特定の部位にばかり力が加わり、しかも噛まないため歯槽骨が軟弱化しているので、噛む力に骨が負けていってしまいます。すると、歯槽骨から破骨細胞が出て、歯周ポケットがでlき、プラークがたまりやすくなるのです。
食物繊維がなく、高脂肪・高タンパク、高砂糖で粘着性の強い食物を食べていれば付着・発酵しやすく、プラークになりやすい条件が備わり、悪環境はますます重なります。
このような傾向は、乳幼児にも見られます。今年の3月に3歳児検診をしたところ、乳歯と乳歯の間の成長空隙のない子供がこの10年間で39%から52%へ増えているのです。原因は明らかに噛まなくなったことでの顎の退化に起因します。そのまま永久歯が生えてくれば、生える場所を失って歯列が乱れるのは必然といえるでしょう。もはや、3歳の時点で、将来の歯周病のリスクを背負ってしまっているのです。こうして、食生活の悪化が2重3重に歯周病の発症要因を高めています。
こうした流れを背景に、昨年12月に具案化された厚生省の「生活習慣病の概要」の中で、歯周病は“食生活由良性疾患”に位置づけられました。また、国際的には標準とされる診断や治療の方法がまとめられた「メルクマニュアル」の最新版では、歯周病の原因として“全身疾患”との関わりが初めて明記されたのです。
悪化した食生活は、必然的に表1のA〜Cのような症状を生み出します。歯肉がピンク色なのは血液の色が透けて見えるからですが、その血液は全身を巡っているわけで、血液が汚れていれば、歯肉の色も、顔も爪の色も悪くなります。つまり、食生活がそのまま歯肉の色に反映しているわけです。
また、まるBのような症状の数々は、“歯周病になりやすい人は全身的にも生命力に乏しく病気になりやすい状態にある”表れであると考えられます。
歯は全身の一部であり、局部的に生命力にあふれることなどありえないのです。
先にお話した松枯れの問題を思い出して下さい。松が常在虫にやられた背景には生育環境の悪化があったように、歯槽骨が常在菌に侵される根底には、その生体の育つ環境の悪さがあるのです。ですから、ブラッシングさえしていれば、歯周病が防げたり、治るということは決してなく、病みたい状態の体から治りたい状態の体に変えること、全身の健康状態と共に改善していくことが必須なのです。
それには「食生活の改善が基本」。土壌を整えずして健康な生命体はありえないと肝に銘じてほしいのです。
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