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歯を失うと、脳の働き、特に記憶力が低下します。脳が活性化するには、常に新鮮な血液が巡っていなければなりませんが、心臓から上に血液が送られには、重力に反するために抵抗が大きくなります。そこで下顎と上顎の接合部で毛細血管が集まっている血管叢が血液輸送の中継点となって、噛むと血液が汲み上げられて脳に送られる仕組みとなっているのです。歯を失うと噛む力が低下しますから、脳への血流も悪くなると考えられます。
また、歯が1本でも抜けると隙間を埋めようと他の歯が動き、歯列が乱れて咬み合わせが狂い、肩こり、眼精疲労、腰痛、頭痛など、様々な全身症状を誘発します。
ほか、歯が抜けて噛む回数が減ると骨粗鬆症が進むこともわかっています。当院でも、患者さんの骨密度を計測しているのですが、骨密度が非常に高い人では歯周病になってない人が46%もいるのに対し、骨密度の低い人ではたった12%しか認められません。
さらに、歯が抜ける抜けないにかかわらず、歯周病が原因で重い全身疾患を引き起こすことがあります。歯周病の病巣から細菌がまき散らされ、心臓や腎臓に感染し、心内膜炎や糸球体腎炎などの感染症が起きるのです。
しかし、歯周病が最も恐ろしいのは、歯周病が起きた背後に、全身の様々な疾患が隠れているという点なのです。頭痛、便秘、不眠、冷え性といった症状から、動脈硬化、肝硬変、糖尿病、腎臓疾患、貧血まで実に多岐にわたります。つまり、歯周病−骨が溶けるような人は全身的にも病んでいる、病んでいるから骨が溶ける“歯周病は極めて悪い状態にある身体の赤信号である”、といえるのです。
それはなぜ、全身の健康状態と歯がつながってゆくのか。歯周病のメカニズムについてお話します。
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