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  丸橋賢・丸橋全人歯科の本
 
 

「癒しの思想」が朝日新聞天声人語で紹介されました。詳しくは→

“現代”が生む病い−歯周病
歯周病の進行した母親(35歳)。白米を主食とし、野菜・海藻・小魚を摂らない。コーラ類を多飲し、現代人に多い食生活の傾向を示す。歯肉は変色し、排膿がみられ、歯は動揺していて噛めない。

 

春秋社刊 1,900円 + 税

 天声人語でも紹介され、日本のサイレントスプリングとも評された名著。生き物に囲まれて育った原点にさかのぼる、丸橋哲学の神髄。

 

 ひどい口腔の母と子

 図11が母親、図12が子どもの口腔内の写真である。母親が31歳、男の子が5歳である。瓜二つといえるほどよく似た口腔内の状態であるが、これを親子の体質が似ているせいと考えるのは誤りであり、責任逃れである。母親の考え方、生活態度がもたらした親子共通の肉体の破壊である。一家の主婦が作る食事の、家族に与える影響は実に大きいが、特に母親の付属品のようにして成長する子どもは、その影響をもろに受けてしまう。母親がよく勉強し、理解が深い場合は子どもの歯は真珠のように輝いている。しかし子どものいのちがどんな食べ物を求めているかを知らず、嗜好や流行にまかせて食べ物を与える母親は、自らの身心を破壊するのみではなく、愛しい子どもの身心までも荒廃させてしまうのである。

図11 母親の口腔内(上・下) 図12 子どもの口腔内(上・下)

…母親の食生活は、野菜、海藻、小魚が不足し、甘い物が多く、現代の食生活の欠点を並べたような内容である。その上、最初の子どもを妊娠してから、丈夫な子どもを産もうと毎日乳酸飲料を飲んだと言う。子どもが生まれると、同じ乳酸飲料を子どもにも飲ませた。その結果がこのような状態となったのである。このような母親はよく、「私に似て子どもも歯が弱くて困る」と言う。しかし、正確には、「私の知性に似て、子どもの歯が腐った」と言うべきである。この母親も、自分の生活が原因とは考えてくれない。子どもも自分に似て歯が弱いと嘆き、子どもを産んだら歯が急に悪くなったとお産のせいにする。
 「結婚した時、虫歯は2本しかなかった。6年間に3人の子どもを産んだら、こんなに歯が悪くなってしまった。子どもを産むのは歯に悪いですね」と言う。
 もともと食生活の内容に大きな問題があり、弱い歯が形成されていた上に、妊娠以来多飲した乳酸飲料が決定的な役割を演じてしまったのである。さらにこのような生活態度の人は、歯みがきも悪いのが一般的である。子どもの歯みがきが悪いと注意すると、「そうなんですよ先生、いくら言っても言うことを聞かないんだから。先生よく注意しておいて下さい」などと応える。そして自分では甘い物ばかりパクパク食べ、歯も満足に磨かないのである。母親が自分で磨いていないのに、口先で子どもに注意しても磨くはずがない。子どもは手の洗い方も掃除の仕方も、母親そっくりに真似て育つのである。母親の姿を写し出す鏡である。

 治療が必要なのは母親の頭

 このような子どもの歯を歯科医がどんなに一生懸命に治療しても無意味である。またすぐに再発を繰り返し、母親と同じ口腔となり、全身も病んでしまうはずである。最初に治さなければならないのは母親の頭の中味である。…

「癒しの思想」知性が腐ると歯も腐る より


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