みなさんこんにちは。 辻本です。
3月に入り、病院の部屋の中は午前中でも暖房なしで少し汗ばむ程の
陽気となって気ました。
来週からは寒の戻りがあるようですので体調にはお気を付けくださいね。
院内の花は、季節感を出すべく、理事長先生が花の中に新緑を入れて
春らしさを演出しています。 当院Facebookをご覧ください。
さて、世には咬み合わせなど信じないという患者さん、歯医者さんが
沢山いますが、我々は毎日のように、咬合と咬み合わせの関係を決定づ
ける例を経験しています。
私のお恥ずかしい失敗例から一つその例をご紹介します。
遠く北陸から来院されている患者さんの例です。
「雪はもう解けましたか」等雑談の後、診査をしました。
20年以上前の旧タイプのインプラントが植立されています。
このインプラントは右下の第一大臼歯と第二大臼歯部に植立されていて、
インプラントの歯が動くと訴えています。
診ると、アバットメントのネジが弛んでいます。
レントゲンでインプラントに問題はありません。
全体的なことを考えてこの歯の被せ物(補綴物)をやり直すため歯を外して
スタッフに仮歯を作成、装着してもらい、私がチェックをして、一旦終わり
にしました。
「咬み合わせに問題はありますか?」とお聞きしても「違和感ありません」
と答えていました。
異状なく診察室を出て行かれた患者さんが、数分後に診察室に足を引きずり、
苦痛で顔をゆがめながらながら戻って気ました。
「先生足が痛くて歩けなくなりました。
特に右足の内ももの当たりが痛いです。」
と訴えます。
当院は咬み合わせで姿勢や体調不良を改善しているため、患者さんが歯と
この異常を関連付けて帰ってきたのでした。
診査をすると、右の一番奥のインプラントと上の歯の隙間が非常に狭く、
(アバットメントは新しいものを購入しました)
樹脂の仮歯に厚みを持たせるためにスタッフが仮歯を作成していたため、
少し高くなっていたのでした。
姿勢を審査しても右肩が少し下がっていますがさほどの狂いはありません。
咬み合わせを審査すると右の第二大臼歯がやや高く問題の接触がありました。
いつもの手順に従い数分ほど調整をして、立ち上がってもらい姿勢を確認し
ました。右肩は先程より上がってきています。
「咬み合わせは変わりましたか?」とお聞きしても「わかりません」
という程度の狂いです。
「少し歩いてみてください。」と促すと。
「歩けます。痛みはさっきより和らいで、普通に歩けます。」
とのことです。
さらに受付で。。。
「痛みはなくなりました。先生によろしくお伝えください。」
と言って帰宅されたそうです。
噛み合わせの少しの狂いがこれほど大きな変化をもたらす事があるのです。
不思議に感じるでしょう。
毎日このような治療をすべてのドクターが積み重ねて、その30年以上のノウ
ハウで全人歯科の医療が成り立っています。