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2014年4月30日

治療途中の歯を放置して抜歯することになった例

 丸橋ファミリー歯科の青木です。
 今回は治療途中で歯を放置してしまったために抜かなければならなくなった例をご紹介したいと思います。


 治療をスタートしたのは約2年前です。虫歯がひどく2本の歯に神経の治療(根管治療)が行われました。丁寧に根管充填され、「支台築造」という歯を補強する土台の型どりまで終わりましたが、ここで患者さんが治療を中断してしまいました。


C4


 写真がその2年後のレントゲン写真です。(黄色い矢印は私が追加)


 この患者さんは非常に大きな虫歯が数本あるのですが、比較的最近急激に進行したようで、ここ最近の食生活が非常に甘いものに偏った状態であることが伺い知れました。患者さんの20代という年齢を考えると、親の管理が行き届く学生時代はあまり虫歯が無かったのに、親から離れたとたん食生活が甘い物に極端にかたより急激に虫歯が発生した、そのような状態ではないかと推察されました。
 そんな甘いもの依存状態の中で治療途中の歯が放置されたのですから結果は無惨なものでした。


 歯は表面が硬いエナメル質に覆われ、その下の層に比較的軟らかい象牙質があります。さらに中心には歯髄、一般的に「神経」と呼ばれる軟組織がありますが、神経の治療した歯はその神経がありませんから、中が空洞の状態で、そこに治療用の材料が充填されます。
 中をくりぬいたような根管治療の状態で放置されると、虫歯はダイレクトに神経があった空間から広がってしまいます。中の象牙質はエナメル質ほど硬くないので、あっと言う間に虫歯が進行してしまいます。堅牢な城壁でもトロイの木馬に隠れた兵隊に中から攻撃されてしまえばあっという間に破壊されてしまう、それに似ています。黄色い矢印のように歯の中で虫歯が広がっています。治療することは不可能で抜歯することになりましたが、歯科医としては非常に残念です。


 誰にとっても歯の治療はあまり楽しいものではありません。もちろん歯を削っていても寝てしまうようなリラックスした患者さんもいますが、ほとんどの患者さんはストレスでいっぱいだと思います。何かのきっかけで歯医者に行かなくなり、そのまま放置してしまう患者さんの心情も分からなくはありません。しかし、抜歯という最悪の結果をまねくこともありますから、どうか頑張って通院していただきたいと思います。


 なお、中にはどうしも中断しなければならないこともあるかもしれません。そのような場合はどうかお気軽にそれで大丈夫かお尋ねいただきたいと思います。治療の内容、中断する期間などで対処法が異なりますから、少しでも歯が傷まないようにアドバイスさせていただきたいと思います。

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丸橋全人歯科
理事長 丸橋賢

丸橋全人歯科 理事長 丸橋賢

1944年群馬県生まれ。東北大学歯学部卒業。同学部助手を経て、1974年、丸橋歯科クリニック開業。1981年、「良い歯の会」活動開始。2004年、群馬県高崎市栄町に「丸橋全人歯科」を開業。現在、丸橋全人歯科院長。日本口腔インプラント学会、日本全身咬合学会会員。日本歯内療法学会認定医。
主な著書に、『癒しの思想』 『全人的治癒への道』 『〈全人歯科〉革命』(以上、春秋社)、『新しい歯周病の治し方』 『歯 良い治療悪い治療の見分け方』 『よくわかる顎偏位症の治療と予防』 『インプラントで安心』 (以上、農文協)、『退化する若者たち』『心と体の不調は「歯」が原因だった!』(PHP新書)、『歯で守る健康家族』(現代書館)、『生きる力 〈いのちの柱〉を取り戻せ』(紀伊国屋書店)、『すいせん村のねこやしき』『エリカのお花ばたけ』(ストーク) など多数。